クライアントの皆さま方に見守られ、
学生たちは、実践的な学びを
積み重ねていきます。
そして、「想像力」と「創造力」に磨きをかけ、
それを地域に還元いたします。

COMMUNAL CREATION DESIGN

教育と地域をつなぐ現場から

東北芸術工科大学 共創デザイン室は、東日本大震災後の2011年5月にオープンいたしました。「共創」とは、地域(市民、産業、行政)の方々と「共に創る」ことを意味します。芸術とデザインの力をツールに、本学が地域とより密接な共存共栄関係を築くために、設立いたしました。

クライアントの皆様からいただいた研究課題は、学生たちにとって教科書とは全く違うリアリティーのある教材となります。そこで提示された課題は時代の流れの中で絶えず変化し、答えはおろか考え方の筋道すら簡単には与えてくれません。参加する学生たちは、教員の適切な指導を受けつつも、実際にその流れにもまれながら、進むべき道を自らの手でつかみ取ることが求められるのです。

それは、時に厳しい現実にさらされることを意味します。見た目に美しく社会の役に立ちそうな試作品が出来上がり、学内で高い評価を受けたとしても、社会的な諸条件を満たさず発売できないような場面にも直面します。通常の授業では体験できないそのような環境で、学生たちは、クライアントの皆様に見守られながら、自分たちの「デザイン思考」が世の中でどのように作用するのか検証します。その活動は、学生だけでなく指導する教職員にとっても、机上の空論ではなく、いただいた案件に対して適切な解を求める真剣勝負の場となります。

私たちの活動は創作、調査、デザイン提案などにとどまりません。それらの活動が地域に実益をもたらすところまで、地域の皆様と共に手を携えて歩む決意です。大学は研究と制作を通じて地域に利益をもたらし、同時に地域の皆様にも大学と共に学生を育てていただく。こうして育った卒業生が、今度は地域に溶け込み恩返しをする。そんな「幸せの循環システム」を基盤に、山形を中心とした東北の素晴らしさを広く世界に向けて発信して行くことが、私たちの使命であると考えます。

VOICES

クライアントの皆様からの声

若者の視点を活かした魅力発信事業でデザインやアートの視点は必要だと感じて、委託した。
より多くの方に見ていただけるようなサイトにしていくため、今後とも相互連携をお願いしたい。

(行政関係)

今後弊社がプロモーションで抱える課題について、
貴学のポリシーに合致する案件があれば、
自治体も巻き込んだ産学官連携事業の展開をどんどん図っていきたいと考えております。

(運輸関係)

学生たちからの意見を聞き、
私たち職員では気付けないことや柔軟な発想を頂くことが出来ました。
非常に新鮮であり、考えをリフレッシュすることができました。

(行政関係)

デザイン的な考え方はほとんどありませんでしたが、
学生たちの柔軟な思考を見せて頂き、精錬されたスマートさも時には必要であると考えさせられた。
卒業生も入社しているので、デザイン性も考慮した製品を世の中にリリースして行きたいと考えています。

(輸送車両関係)

地元の食や文化に関する交流を深めながら一緒に御輿を制作したことは、
テレビや新聞の取材も受け、今後の活動の広がりが期待できよかったと考えています。

(行政関係)

伝えたいことを,どう伝えるか,どう表現するかを考えることは,
情報や成果を発信する際にとても大切です。
デザインやアートの専門職の方との連携は本来,必要不可欠だと思います。
今後もぜひ,芸工大さんのお力をいただきながら,成果を発信していきたいと考えています。

(医療関係)

総合美術コースのフィールドワークを町で開催していただいたことにより
学生達から農村の課題を理解していただくことができた。
今後とも東北芸術工科大学との連携に取組んでいきたいと思っておりますので宜しくお願いします。

(行政関係)

愛称選定委員長からロゴデザインまで、
長期にわたりご協力いただきましたことに心より感謝申し上げます。

(行政関係)

待合室改良にあたり、東北芸術工科大学様にデザインの監修やアドバイスをいただくことができ、
他の駅にはない改良ができたと感じております。
市内の家具メーカーと引き合わせていただいたり、山形の隠れた名品などの取扱い商品一覧をご提示いただく、
といった地域に密着した運営をされている貴校ならではのご提案をいただきました。

(運輸関係)

ショールームに足を運び、メーカーのベンチマークにより、
不満に対する解決策を考えていただいたこと、またプレゼンテーションの中で、
ディスカッションにより弊社社員の住宅に対する関心の強さを認識できたこともよかったと思います。
デザイン性に富んだ提案をいただくことが出来、提案領域の範囲が広がりました。

(住宅建築関係)

我々にとっても産学連携は初の試みでした。
また、時間的制約や製造上の制約など縛りが多い中で学生の皆様の可能性を
引き出せなかったこともあったのではないかと反省しております。
ただ、今回の産学連携は弊社にとって間違いなく素晴らしい活動の一環でした。
学生の皆様に何か一つでも貢献できていればうれしいです。

(スポーツ用品製造)

デザインについては、今後も連携をさせて頂き、
ストーリー性を持った魅力あるモノづくりを行って行きたいです。
今後の課題としては、いかに世の中で流通出来るモノを創りあげるか。
デザイン+αの連携を今後ともどうかよろしくお願い致します。

(家具製造)

当方の担当者が大学に出向いて学生さんと直接向き合う機会を与えていただいたり、
貴大学の研究者が当法人理事会へ出席され、直々にプレゼンテーションされるなど、
「顔が見える関係」ができたことが良い方向に繋がっていると思います。

(芸術系NPO法人)

当初の不安を払拭し、期待値以上の提案が出揃ったと思っております。
1点気になったこととしては、調査-コンセプト-アイデアが繋がっている提案であると、
より説得力のある提案になったと思います。

(車載製品開発関係)

地方の中小企業が、デザイナーを社内に抱えるとなると、
それなりの覚悟とリスクを考えなければならないと思っていましたが、
それは単なる偏見であり、思った以上に任せられる仕事の幅が広いことがわかったので、
採用を検討できるのではないかと感じました。

(暖房機器製造)

新たなビジネスモデルの構築という言葉を使っていたわりに
我々の頭の中は既存ビジネスから離れきれずいたが、
学生のアイディアを聴いて(見て)我々の発想にも自由度が増したと思います。

(包装資材製造)

その展覧会の目的や場所によって予想される客層というものがあります。
その中で展示する側の主張とこちら側の主張をぶつけ合って改善しあって譲歩したり
攻め入ったりしながらやっていければ、その先が大きく違ってくると思います。

(公共施設)

最後の設問の組織内にデザインやアートを学んだ人は必要か、とありますが、
職場のやり方に合わせた芸術の活かし方を自分で見つけ出すことが必要と思います。

(行政関係)