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8/12[金] 「エネルギーシフトとモビリティーデザインの新時代」まとめ

今回のファシリテーターは山形出身の世界的工業デザイナー奥山清行氏と共創デザイン室長の上原勲准教授(プロダクトデザイン学科)です。 【レクチャー】
はじめに今日のセミナー全体に関わる次のキーワードについて上原室長が説明。
キーワードは次の6つ。
 1.エネルギーシフト  2.カーボンオフセット  3.自然エネルギー
 4.スマートグリッド  5.スマートシティー  6.モビリティーサービス 奥山氏のレクチャーは、これまで国内外で関わってきた多彩なプロジェクトの紹介からスタート。
その後、海外の視点から見た日本の社会的特徴なども織りまぜながら震災後の東北の地域あり方、技術を活かしたこれからの街づくりのあり方、スマートシティー、エネルギーシフトなどについて提言されました。
【テーブルディスカッション】
テーマは「スマートシティーのような理想的な町づくりを実現するには?」 以下、各テーブルから発表された内容です。

テーブル1
「価値観を変える」
・個人、一人ひとりが変わっていき価値観を変えていく。
・地域産業では地域資源を使い産業を盛り上げていく。
・教育も地域社会と連動して、地域・教育・産業(デザイン)で変えていく。
テーブル2
テーブルメンバーに山形県外からの参加者もおり、各地域でどのようことが考えられるかを挙げ議論した。
また、大学生限定のカーシェアリングや山形の温泉街を結ぶカーシェアリングの提案、何か一つ具体的にモデル地区をつくり成功事例を普及させる提案、そして東北の魅力を活かす自然・食材・観光を前面に出しながらスマートシティーをつくる提案などを考えた。
テーブル3
スマートシティーを目指す際、理想と現実のギャップが大きいので、一つひとつ解決していく提案。
・教育の現場では子供たちに正確に教えていく。
・デザインでは新しい試み、社会を良くする仕組みを考える。
・人間力や人付き合いなど自分自身たちで決定し柔軟な仕組みづくりをする。
「仕組み」の工夫によってコストをかけずにより良い社会が作れるのではないか。
テーブル4
「スマートグリッド特区」
企業・行政で東北に新しい“ここちよさ”を実感できる社会づくり。
物質・エネルギーを減らさないといけないが、日本の生活を途上国の水準に戻すことはできない。生活の水準を下げると経済が縮小してしまうデメリットもある。
そこで、暮らしている人の充足度を上げるような仕組みとしての新しい“ここちよさ”を創出する。
テーブル6
「雪熱」
雪の資源を最大限に利用する提案。
・冬に降った雪を夏まで蓄え、温度を下げるためのエネルギーに使えないか。
・様々な自然エネルギーを採用し、一つ失っても補えるような仕組みを作る。
・雪を電気に変換できないか。
ほかに雪以外の自然を活かした提案として、
・家に鏡を用意し、一か所に光を集めて発電を行う。
・街路樹の様な形の風力発電機、太陽光発電機を町に並べる。
といった自然を取り入れるエネルギーを考える提案。
テーブル7
「攻めのエネルギーシフト」
温泉があるので地熱を利用した発電システムを提案。
エネルギーシフトの仕組みを観光に利用する。
温泉で発電し、その発電だけで温泉街の電気を賄う「発電温泉」の提案。
人が「踏む」行為で発電する発電素子を道路に敷き詰め、お祭りなどのイベントで楽しみながら発電を行う提案。
テーブル8
「山形のエネルギー自給率100%」
・庄内地域に風力発電400基をつくる。
・山形市では太陽光発電をつくる。
・傾斜を利用した水力発電。
・木製ペレットを使用したバイオマス発電。
・温泉街を利用した地熱発電。
・官民一体の資金で目指す。
新しい産業により雇用ができるので山形県も活性化する。
まとめ
今回もさまざまなアイデアが各テーブルから提案されました。
「温泉王国山形」ならではの地熱発電や県内の温泉街を繋ぐカーシェアリングなど、自然エネルギーを活用しそれを観光の目玉にして山形を活性化させる面白いアイデアも提案されました。
エネルギーのあり方が見直されるなか、このセミナーに参加された方々から地域でのエネルギーシフトへのきっかけが生れることを期待します。
各テーブルのディスカッションには奥山氏や上原室長も参加し、参加者との意見交換やアドバイス、情報提供などをしていました。

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