共創デザイン室Blog

共創デザイン室の最新情報をお届けします

山形ブランド『aGarey』、パリの「メゾン・エ・オブジェ」に出展!

共創デザイン室では、2013年2月よりプロダクトデザイナー島村卓実氏を客員研究員に招き、県内の製造業6社と“食と生活”に関わる新製品開発プロジェクトを進めています。 本プロジェクトの目的は、デザインがビジネスに実益をもたらすものであることを社会に広くアピールすること、またプロジェクトでのノウハウを産学連携をはじめとした今後の教育・研究活動に活かしていくことです。

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同プロジェクトチームで立ち上げた地域ブランド“aGarey”は、今年6月の「IFFT Interior Lifestyle TOKYO」や10月の「Love Local Industry展」での試作品展示、卸業者による11月の内見会等への参加を経て、来年1月にフランスで開催される国際見本市「MAISON&OBJET」(メゾン・エ・オブジェ)に出展することとなりました。今回の海外出展で山形の製品を世界に発信し、国内外の販路拡大に結びつけていく予定です。

インテリアライフスタイル展(陳列風景)

■メゾン・エ・オブジェの概要

会期:2014年1月24日(金)~28日(火)9:30~19:00(最終日は18:00まで)

会場:パリ・ノール・ヴィルパント見本市会場(Paris Nord Villepinte)

住所:Parc des Expositions de Paris-Nord-Villepinte 93420 Villepinte France

HP:http://www.maison-objet.com

◎メゾン・エ・オブジェとは・・・ SAFI(サフィ) が主催しフランス・パリで開催される世界最高峰のインテリア&デザイン関連見本市で、インテリア全般、ギフト、雑貨、テーブルウェア、テキスタイル、 家具など、約3,000ブランド(うち45%はフランス外の企業・団体)から出展がある。展示平米数は130,000㎡以上で、来場者は約85,000人。

 

・aGareyの展示ブース ・・・HALL8『now! design à vivre』(now!生活空間を彩るデザイン) (デザインやイノベーションによる生活空間を彩るオブジェや家具の提案。)

 

・aGarey出展物内容・・・aGareyレースアミ ライトシェード ・aGareyレースアミ テーブルマット ・aGarey雪結晶のパスタ ・aGareyい草のパスタ ・aGarey圧搾米ぬかオイル ・aGareyききさけセット ・aGareyイグサマット ・aGareyイグサカップ ・aGareyダンボールバック 等

 

◎aGareyとは ・・・アガレイとは、山形の食べる、飲む、住まう、をテーマに生まれた異業種連携ブランドです。食の豊かさが全国的に広がりつつある山形には、他の分野でも多くの産業が存在しています。それらを一つのテーブルに乗せて”山形”で包み、ブランド化し、地域企業に継続的な成功をもたらす事を最終目的としています。山形ならではのお米やそば、お酒といった食のデザイン。食を中心にした、テーブル周りのライフスタイルに不可欠なプロダクト製品。山形を語り、食のおいしさ、モノの楽しさ、知識のつまった風習を、地元だけでなく世界に向けて紹介していきます。

「aGarey」HP: http://www.agarey.jp

参加企業・・・株式会社高橋型精(山形市)、有限会社富士紙器(山形市)、有限会社玉谷製麺所(西川町)、米鶴酒造株式会社(高畠町)、畳屋道場株式会社(寒河江市)、三和油脂株式会社(天童市)

山形ブランド“aGarey”誕生!

共創デザイン室は、昨年2月より『ヤマガタデザインプロジェクト』を立ち上げ、国内外で活躍するプロダクトデザイナーの島村卓実氏を客員研究員に招き、山形県内でエネルギーのある製造業6社1個人と“食と生活”に関わる新製品開発プロジェクト進めてきました。

そして先週の6月5日〜7日、東京ビックサイトで開催された国内外のバイヤー向け国際見本市「interiorlifestyle TOKYO」に出展し、新ブランド”aGarey”〈アガレイ〉を発表いたしました。

■東北芸術工科大学TUADニュース
『山形県内企業と東北芸術工科大学との産学連携ブランドをバイヤー向けの国際見本市「interiorlifestyle TOKYO」で発表』
http://www.tuad.ac.jp/newsevents/topics/newpage_20130610_111617/

“aGarey”とは、山形出身の方なら聞き覚えのある通り、「あがれ」「あがっしゃい」という山形弁からきています。「どうぞ召し上がれ」という歓迎・親しみを込めた名前です。 異業種が集まって一つのブランドを作っていること、また食を持ち込んでいるのはこのブースしかなかったため、多くの来場者の方々の関心をひいていました。
出展ブースは、アトリウム特別企画「JAPAN STYLE」の入口真正面という最高のポジションでした。
「JAPAN STYLE」は、日本の優れたデザイン製品を世界市場に紹介しようと、5年前からドイツの姉妹見本市「アンビエンテ」で始まり、一昨年からはドイツと東京の両方で開催されています。今年はアトリウムで46社が参加する日本デザインの一大イベントになっていました。

『エコリノベーション・ワークショップ』まとめ

このセミナー内で行われました、三浦秀一准教授による『エコハウスと東北の産業、エネルギーについて』のレクチャーをまとめたものも、過去にアップしています。そちらも合わせてご覧頂くと、当日のセミナーの内容を、より詳しくご理解いただけるかと思います。
  【過去記事】
  2012年04月23日(Mon)
  「エコハウスと東北の産業、エネルギーについて」まとめ
  http://blog.tuad.ac.jp/_kyoso2/index.php?ID=100&cID=6 少し前の話になってしまいますが、今年2月に開催しました「共創のテーブル」vol.2の、セミナー『エコリノベーション・ワークショップ』の内容をまとめました。
当日の流れを基に、会話形式でまとめてあります。
セミナーに参加された皆様をはじめ、住宅に関する今後の日本のエネルギー政策、エコ住宅や地球温暖化対策に関心をお持ちの方々に、ぜひご覧いただければと思います。

▼下記よりダウンロードのうえ、ご覧下さい。


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また、今年の7月には、『仙台R計画』と題して、本学建築・環境デザイン学科の竹内昌義教授と馬場正尊准教授による、都市のリノベーションについてのトークイベントが行われました。
その内容も、同じく当日の会話形式でまとめましたので、ご感心のある方はこちらもぜひご覧いただければと思います。
   【過去記事】
  2012年07月04日(Wed)
  「仙台R計画 竹内昌義と馬場正尊が語る都市のリノ
  ベーション」トークイベントのお知らせ
  http://blog.tuad.ac.jp/_kyoso2/index.php?ID=116&cID=2

▼下記よりダウンロードのうえ、ご覧下さい。

「エコハウスと東北の産業、エネルギーについて」 まとめ

さる2月16日(木)、セミナー『共創のテーブル』vol.2〜ポテンシャルをひきだすデザイン〜 にて行われました、三浦秀一准教授による「エコハウスと東北の産業、エネルギーについて」のレクチャーの内容を、当日使用されたパワーポイントをもとにまとめました。

セミナーに参加された皆様をはじめ、住宅をとりまくエネルギー問題と地域経済との関わりに興味をお持ちの方々に、ぜひご覧いただければと思います。 下記よりダウンロードのうえご覧ください。
ダウンロードファイルには、ページごとに三浦准教授による説明を簡単に付記しています。

セミナー『共創のテーブル』vol.2終了

2月16日(木)、17日(金)の二日間にわたり、セミナー『共創のテーブル』vol.2 −ポテンシャルをひきだすデザイン− を開催いたしました。
お忙しい中ご参加いただきましたみなさまには心より御礼申し上げます。
また、今回も山形銀行地域振興部様より多大なご協力をいただき、地元の企業様等との新しいつながりを作ることができましたことに対してもあわせてご報告と御礼申し上げます。 セミナー1「エコリノベーション・ワークショップ」のひとコマ 芸工大近くにある「山形エコハウス」には、企業、金融、行政、一般・学生など40名を超える方々が早朝9時より集まり、熱気あふれる討論が展開されました。
セミナーの様子については、また改めてレポート予定です

8/12[金] 「エネルギーシフトとモビリティーデザインの新時代」まとめ

今回のファシリテーターは山形出身の世界的工業デザイナー奥山清行氏と共創デザイン室長の上原勲准教授(プロダクトデザイン学科)です。 【レクチャー】
はじめに今日のセミナー全体に関わる次のキーワードについて上原室長が説明。
キーワードは次の6つ。
 1.エネルギーシフト  2.カーボンオフセット  3.自然エネルギー
 4.スマートグリッド  5.スマートシティー  6.モビリティーサービス 奥山氏のレクチャーは、これまで国内外で関わってきた多彩なプロジェクトの紹介からスタート。
その後、海外の視点から見た日本の社会的特徴なども織りまぜながら震災後の東北の地域あり方、技術を活かしたこれからの街づくりのあり方、スマートシティー、エネルギーシフトなどについて提言されました。
【テーブルディスカッション】
テーマは「スマートシティーのような理想的な町づくりを実現するには?」 以下、各テーブルから発表された内容です。

テーブル1
「価値観を変える」
・個人、一人ひとりが変わっていき価値観を変えていく。
・地域産業では地域資源を使い産業を盛り上げていく。
・教育も地域社会と連動して、地域・教育・産業(デザイン)で変えていく。
テーブル2
テーブルメンバーに山形県外からの参加者もおり、各地域でどのようことが考えられるかを挙げ議論した。
また、大学生限定のカーシェアリングや山形の温泉街を結ぶカーシェアリングの提案、何か一つ具体的にモデル地区をつくり成功事例を普及させる提案、そして東北の魅力を活かす自然・食材・観光を前面に出しながらスマートシティーをつくる提案などを考えた。
テーブル3
スマートシティーを目指す際、理想と現実のギャップが大きいので、一つひとつ解決していく提案。
・教育の現場では子供たちに正確に教えていく。
・デザインでは新しい試み、社会を良くする仕組みを考える。
・人間力や人付き合いなど自分自身たちで決定し柔軟な仕組みづくりをする。
「仕組み」の工夫によってコストをかけずにより良い社会が作れるのではないか。
テーブル4
「スマートグリッド特区」
企業・行政で東北に新しい“ここちよさ”を実感できる社会づくり。
物質・エネルギーを減らさないといけないが、日本の生活を途上国の水準に戻すことはできない。生活の水準を下げると経済が縮小してしまうデメリットもある。
そこで、暮らしている人の充足度を上げるような仕組みとしての新しい“ここちよさ”を創出する。
テーブル6
「雪熱」
雪の資源を最大限に利用する提案。
・冬に降った雪を夏まで蓄え、温度を下げるためのエネルギーに使えないか。
・様々な自然エネルギーを採用し、一つ失っても補えるような仕組みを作る。
・雪を電気に変換できないか。
ほかに雪以外の自然を活かした提案として、
・家に鏡を用意し、一か所に光を集めて発電を行う。
・街路樹の様な形の風力発電機、太陽光発電機を町に並べる。
といった自然を取り入れるエネルギーを考える提案。
テーブル7
「攻めのエネルギーシフト」
温泉があるので地熱を利用した発電システムを提案。
エネルギーシフトの仕組みを観光に利用する。
温泉で発電し、その発電だけで温泉街の電気を賄う「発電温泉」の提案。
人が「踏む」行為で発電する発電素子を道路に敷き詰め、お祭りなどのイベントで楽しみながら発電を行う提案。
テーブル8
「山形のエネルギー自給率100%」
・庄内地域に風力発電400基をつくる。
・山形市では太陽光発電をつくる。
・傾斜を利用した水力発電。
・木製ペレットを使用したバイオマス発電。
・温泉街を利用した地熱発電。
・官民一体の資金で目指す。
新しい産業により雇用ができるので山形県も活性化する。
まとめ
今回もさまざまなアイデアが各テーブルから提案されました。
「温泉王国山形」ならではの地熱発電や県内の温泉街を繋ぐカーシェアリングなど、自然エネルギーを活用しそれを観光の目玉にして山形を活性化させる面白いアイデアも提案されました。
エネルギーのあり方が見直されるなか、このセミナーに参加された方々から地域でのエネルギーシフトへのきっかけが生れることを期待します。
各テーブルのディスカッションには奥山氏や上原室長も参加し、参加者との意見交換やアドバイス、情報提供などをしていました。

8/11[木] 「震災前の家>反省>これからの家」 まとめ

8/11[木]に開催されたセミナー『共創のテーブル』第2回目の報告です。
ファシリテーターは本学の建築・環境デザイン学科から
馬場正尊准教授(共創デザイン室主幹研究員)、竹内昌義教授、三浦秀一准教授の3名です。
・レクチャー
竹内教授から芸工大が手掛けたエコハウスの事例・プロセス、カーボンニュートラルの説明です。 三浦准教授から住宅のエネルギー使用に対する震災後の課題をヨーロッパのエネルギー事業を踏まえながらレクチャー。
今後、東北ではどんな方向性(エネルギーシフト)を持てば環境に優しいエリアになっていけるかという説明がありました。 ・テーブルディスカッション
テーブルディスカッションは以下の順番で行われました。
 1.エネルギーシフトへの阻害要因、レクチャー内での疑問点をグループでまとめる
 2.グループごとに出た問題点を全体共有
 3.2020年までに全ての家がカーボンニュートラル、
   エネルギーシフト化することを想定し、どのようにしたら実現するかアイデアを
  グループでまとめる
 4.まとめ発表
●テーブル1
「情報の共有化周知」
 価値観を変えないといけない。
 情報を周知し省エネの癖をつけ意識改革を行う。
「町づくり」
 地域ごと細かく区切り小さな集団でエコに取り組む。
「技術改革」
 資金投入で技術を高めていく。
「メリットとデメリットを服用する」
 住宅建て替えに補助金を出す。
 化石燃料の使用料金を高くするなどデメリットを課す。
●テーブル2
「森林エネルギーの活用〜持続可能+更新可能な世界〜」
 森林にある木材を活用。植林を行い森と家の循環を行う。
「伊勢神宮方式」
 全ての住宅を木造にし、20〜30年単位で住宅の建替えを行う。
 また、建替えの際、住宅で使用していた木材をペレットなどの燃料にする。
●テーブル3
「エコハウスに補助金を出し、公的な建物をエコハウスにする」
 エコハウスのデザインを多様化してニーズを増やす。
 集合住宅を建ててエネルギー効率を高める。
 また、個々の住宅では最小限のものにしてエネルギー効率を高める。
●テーブル4
「バイオマス燃料への切り替え」
 燃料を木質ペレットに切り替えていく。
「木材使用での林業の再生を図る」
 仕組みをどのように移行していくかの説明を地デジ化の時のように情報発信を行う。
「社会システムの構築」
 助成金、インフラ整備、設備・建物を供給する新たな産業の確立を行う。
●テーブル5
「公的資金を注入して商品パッケージ化して販売する」
 モデル住宅・地区を作り見える化する。
 インフラを整備する負担の範囲を明確化する。
 都会から地方への転居整備費の確立。
 自然エネルギーの良さをPRし、使いにくいというイメージをなくす。
●テーブル6
「小さい地域単位での活動」
 小さい地域単位(町内会、地区単位)で目標を決定、資金を集め、
 目標に関しても時間軸で長期的に立てる。
 エネルギーの売電制度の確立し、地域での電機の地産地消を行う。
 補助金や融資制度を充実させ、エコハウスの建設を普及させる。
●テーブル7
「電力の自由化、規制緩和を図る」
 みんなが事業に参加できる形態を作り、銀行からの融資や自治体の補助金が出し易くなるシステムを構築する。
 参加システムをシンプルにし、コスト(設備投資)を減らす。
 エネルギーシフトへのイメージの普及を進める。
●テーブル8
「設備にお金がかからない仕組み」
 国や県が補助金を出し、販売業者やメーカーが設備資金を立替える。
 一時的に立替えるが、個々で発電した電気料金を販売業者に売り返していく。
 各地に推進担当者配置する。
・まとめ
カーボンニュートラル、エネルギーシフトの阻害要因を探り、どうしたら解決できるか。
また、全国には使われていない木材がたくさんあり、どうしたら活用されるかなど様々な意見がでました。
セミナーで共有されたことを身近な環境に組み込み、エネルギーシフトへの最初の一歩になればと思います。
震災後エネルギーのあり方が見直されているなか、どのようにしたら省エネルギーでCO2の排出を抑制できるか、
さまざまな立場からの意見やアイデアを出し合う場の重要性が実感できました。

「東北のうりかたを考える」8つの提案

セミナー「共創のテーブル」は単に講演を聴くだけではなく、立場の異なる様々な参加者がひとつのテーブルを囲み、多様な角度からの討論を交えることで、与えられた課題に対しより具体的かつ新たなアクションプランを提言し、かつ参加者全体が共有することを重視します。

今回は、7月29日に行われた第1回目のセミナー「東北のうりかたを考える」のディスカッションにて8つのテーブルから提案された「東北のうりかた」についてご報告します。 ●テーブル2 「山形ノート」
共通の問題として「山形の魅力が伝わっていない」というのが挙がりました。 
官の連携が上手くいっていない。山形のPRが上手ではないか、etc…
その解決方法としてこのテーブルで共感を得たのが、来県していただいた方に山形の「良かったところ」、「満足できなかったところ」などについてメッセージ寄せていただく「山形ノート」の提案。
「山形ノート」は官(公的機関)が作るホームページの中に開設し、来県していただいた方に書き込んでもらう。山形ノートの存在が広がっていけば、それが山形のPRにつながるのではないかという提案でした。 ●テーブル1 「東北福興〜戦いを略す(戦略)〜」
3.11に対して企業がどう変わるかという回答が求められている。その答えが東北福興。(復興の復の字が「 福 」になっている。)
一方、これまでは「幸せ感」のレベルがあまりにも物質的側面に偏り過ぎていたのではないかとの提言。
色々なものを付けて本来の価格より高く売るのがもはや付加価値ではない。
これからの価値観は「素にありて贅を知る」、「素」すなわちシンプル・質素であり、そのことによって「贅沢」を知ることではないかとのこと。
これまでの価値観を原点から見直す提言でした。 ●テーブル3 「自分達の街のアイデンティティーのマークをつくる」
自分たちの街を盛り上げていくことを考えていました。
私たちは外に認めてもらうことばかりに目が行ってしまい、自分達が盛り上がっていないのではないかというのが話題のはじまり。
それは自分達自身が自分達の街の良さに対する認識が不足しているからではないか。
そこで自分たちが街を盛り上げるために考えたのが街のアイデンティティのマークを作ること。
日常の街かどや建物、あるいはイベントの時などで人々がアイデンティティーマークを目にすることで、自然に自分も街に関わっているという感覚が生まれ、やがて外からも人が入ってくるようになる。地元の人も外の人も、マークを通してその街に対する認識を深めていくことができるのではないかと考えました。
テーブルのメンバーも何か新しいことに取り組む時にアイデンティティーマークを作ってみることに。
地域全体の取り組みをとしての情報発信に対する提案でした。 ●テーブル4 「農とデザインの商談会を開く」
山形県の主要産業である農業をどうやって発展させるのかというテーマで話合いました。
農業というと、どうしても3Kのイメージが強い。デザインとは対極の関係があるのではないかという話題で議論が展開していきました。
農業とデザインとがうまく融合した事例として「山形県産の果汁飲料が、パッケージデザインを見なおしたことで売り上げが伸びた」という話が話題に。(実際これは、芸工大がお手伝いさせていただいた案件です。)
農業を発展するためにはこれから農業とデザインのセミナー、農業とデザインの商談会などを企画してはどうかとの提案でした。
●テーブル5 「山形への憧れ」
山形に住んでいるとどうしても東京への憧れが強くなる傾向にある。
東京と比べたときに「山形を選びたい」となるための山形の魅力とは何か、東京からの視点で山形にとても住みたいと思わせる魅力とは何か、ということを抽出しました。
山形県のいいところは「時間の流れがゆったり」「人が温かい」ところ。
それを踏まえ、東京の人が山形に住みたい、絶対に山形の方が良いと言わせるような面白い企画3つを考えました。

(1)「山形秘境計画」
    山形の交通の便をものすごく悪くする。
    なかなか行けないところに行った時の達成感を与える。

(2)「山形弁標準語化計画」
    山形に住んでいる人から見て山形弁かっこいい、という空気感を作り出す。

(3)「山形県週休3日間計画」
    山形の全企業は金土日週休3日間にする。
    東京だと週5〜7日働いてとても大変ですが、山形はなんと週3日休みがあり絶対住みたくなります。

こらから10年後20年後の山形に住んでいる私達が強い意思を持っていれば、社会が変わっていけるのではないでしょうか。 ●テーブル6 「TAKE ACTION!!」
山形を売る工夫をするためには言葉にして行動に移し、姿勢やデザインが結果的に形になることを意識する、そしてデザイナーと手を組み東京や全国に売り込んでいく仕組みを作る必要であるのではないか。
また、行政とデザイナーが上手く関係を持つことも大切。
お金のために働くよりも、仕事が社会奉仕となりその結果お金が得られるような社会を目指すことはできないか。
東北の未来のために一人ひとりの意識が深まっていくことと、変えようとする意志が今必要ではないのかという、ロジカルな視点から精神論にまで至る幅広い議論が行われました。 ●テーブル7 「人口が少ない」
いま東北が抱えている問題は人口が少ないこと。
都市部との違いは色々ありますが”人口が少ないこと”が最大の問題なのではないか。
人口が少ないことによりマーケットが小さい、学生のネットワークが細いなどといった意見が。
人口が少ないという課題に対し、移住・Iターン・Uターンといった動きが活発に展開できないかを検討。
公共団体でもすでに色々な行動がなされていますが、都市部のニーズを改めてマーケティングし直し、その結果をもとに東北のブランディグをいまいちどやり直していくという提案がなされました。
●テーブル8 「Happy山形」
震災時仙台からの物資の供給が絶たれた経験から、何とか山形自身で自立してやっていけたらもっと良い山形になっていくのではのかという話をしました。
もう一つ話題となったのが人口減少の問題。
すでに県外に流出してしまった山形出身者に改めて地元の良さを知ってもらう。
さらに、地元の人たちに対しても地産地消運動などを通じてもっと山形の良さを知ってもらえれば、問題は改善するのではと考えました。 8つのテーブルがそれぞれに多様な立場の参加者が集い論議した様子が、そのまま提案に現れています。
これら各テーブルの提案は、最後にひとつずつ発表し、ファシリテーターからの講評やコメントを受けることで全体共有されることになります。

明日(8月11日)は第2回目の「共創のテーブル」、テーマは「震災前の家>反省>これからの家」。
さらに明後日(8月12日)は山形出身のデザイナー奥山清行氏をゲストに迎え、「エネルギーシフトとモビリティーデザインの新時代」について語り合います。

今度もどんなテーブルが完成するかとても楽しみです。

共創のテーブル Vol.1 ポジティヴをひきだすデザイン

「東北のうりかたを考える」
2011年7月29(金)13:00〜16:30 共創デザイン室での初イベントとなった「共創のテーブル」。
今回は全体の流れに沿ってご紹介いたします。 まずは会場となった「やまがた藝術学舎」の正門からです。
目に入るのは青い共創のテーブルの旗、色が鮮やかのなのでとても目立ちます。 開始10分前にはぞくぞくと参加者の皆さんが来場されました。
テーブルディスカッションがあるので丸テーブルを囲むように椅子が並んでいます。 参加者のみなさんが席に着いたところで、いよいよセミナーの始まりです。 まずは東北芸術工科大学 共創デザイン室の上原勲室長(専門はプロダクトデザイン)からごあいさつ。 続いてファシリテーターによるレクチャーがスタート。
田中範男教授はマーケティングの視点・坂東慶一准教授はグラフィックデザインの視点から約1時間のレクチャー。 レクチャーの後はしばし休憩です。
東北復興支援機構(TRSO)の「Coffee Aid」スタッフによるコーヒーサービス。会場内に豊かな香りが広がり、セミナーの雰囲気を和やかにしてくれています。
http://coffeeaid.info/index.html

写真は、やまがた藝術学舎のクリエイティブディレクターである中山ダイスケ教授とのスナップ。 休憩時間後はQ&Aコーナーです。 
セミナー告知チラシ中央部の空白に参加者より質問を書いていただき、ファシリテーターがお答えしています。
参加者からは22枚もの質問が寄せられたため、残念ながら全ての質問にはお答えすることはできませんでした。 続きましてグループに分かれてのテーブルディスカッションです。
テーブルディスカッションは以下のステップで進んでいきました。

● Step1
各テーブルの中で課題を見つけて、東北が抱えている今の「問題」を共有します。
● Step2
どうしたらその「問題」を解決できるかアイデアを出していきます。
● Step3
各テーブルごとにまとめたアイデアを発表し全員で共有します。

ディスカッションの中で解決策を見いだせれば理想的ですが、時間がなくまとめきれなくても問題意識を共有し、今後の活動の意識として繋がっていくことが大切です。

各テーブルのメモやアイデアをどこに書き込むかというと・・・大きな紙ではありません。
実はこのテーブル天板自体がホワイトボードになっています!
このテーブルに書き込んでいくのが「共創のテーブル」です。
マーカーの色は4色。一人一色といった使い方をしているテーブルもありました。 ファシリテーターもテーブルを巡回して意見交換に参加。
どのテーブルも熱のこもった議論をしいました。 各テーブルのセッション結果を全体で共有です。
テーブルの代表者に発表していただき、ファシリテーターがコメントをしていきます。
どのテーブルも東北を良くしていこうというアイデアがたくさん盛り込まれていました。
それぞれのテーブルでどんなアイデアが発表されたか、詳しい内容は後程あらためてアップいたしますのでお楽しみに。 発表を行って第一回目の「共創のテーブル」は終了。

参加者のみなさんは、普段話すことのできない立場の人と語り合うことができて大変満足だったとのこと。
3時間半にわたる長丁場のセミナーでしたが、なかには「これでも時間が足りない!」といった積極的なご意見も頂きました。 次回の「共創のテーブル」は来週の8月11日(木)、8月12日(金)の2日間連続での開催。

現在、参加の申込を受け付けておりますので、是非お申し込みください。

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