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8/11[木] 「震災前の家>反省>これからの家」 まとめ

8/11[木]に開催されたセミナー『共創のテーブル』第2回目の報告です。
ファシリテーターは本学の建築・環境デザイン学科から
馬場正尊准教授(共創デザイン室主幹研究員)、竹内昌義教授、三浦秀一准教授の3名です。
・レクチャー
竹内教授から芸工大が手掛けたエコハウスの事例・プロセス、カーボンニュートラルの説明です。 三浦准教授から住宅のエネルギー使用に対する震災後の課題をヨーロッパのエネルギー事業を踏まえながらレクチャー。
今後、東北ではどんな方向性(エネルギーシフト)を持てば環境に優しいエリアになっていけるかという説明がありました。 ・テーブルディスカッション
テーブルディスカッションは以下の順番で行われました。
 1.エネルギーシフトへの阻害要因、レクチャー内での疑問点をグループでまとめる
 2.グループごとに出た問題点を全体共有
 3.2020年までに全ての家がカーボンニュートラル、
   エネルギーシフト化することを想定し、どのようにしたら実現するかアイデアを
  グループでまとめる
 4.まとめ発表
●テーブル1
「情報の共有化周知」
 価値観を変えないといけない。
 情報を周知し省エネの癖をつけ意識改革を行う。
「町づくり」
 地域ごと細かく区切り小さな集団でエコに取り組む。
「技術改革」
 資金投入で技術を高めていく。
「メリットとデメリットを服用する」
 住宅建て替えに補助金を出す。
 化石燃料の使用料金を高くするなどデメリットを課す。
●テーブル2
「森林エネルギーの活用〜持続可能+更新可能な世界〜」
 森林にある木材を活用。植林を行い森と家の循環を行う。
「伊勢神宮方式」
 全ての住宅を木造にし、20〜30年単位で住宅の建替えを行う。
 また、建替えの際、住宅で使用していた木材をペレットなどの燃料にする。
●テーブル3
「エコハウスに補助金を出し、公的な建物をエコハウスにする」
 エコハウスのデザインを多様化してニーズを増やす。
 集合住宅を建ててエネルギー効率を高める。
 また、個々の住宅では最小限のものにしてエネルギー効率を高める。
●テーブル4
「バイオマス燃料への切り替え」
 燃料を木質ペレットに切り替えていく。
「木材使用での林業の再生を図る」
 仕組みをどのように移行していくかの説明を地デジ化の時のように情報発信を行う。
「社会システムの構築」
 助成金、インフラ整備、設備・建物を供給する新たな産業の確立を行う。
●テーブル5
「公的資金を注入して商品パッケージ化して販売する」
 モデル住宅・地区を作り見える化する。
 インフラを整備する負担の範囲を明確化する。
 都会から地方への転居整備費の確立。
 自然エネルギーの良さをPRし、使いにくいというイメージをなくす。
●テーブル6
「小さい地域単位での活動」
 小さい地域単位(町内会、地区単位)で目標を決定、資金を集め、
 目標に関しても時間軸で長期的に立てる。
 エネルギーの売電制度の確立し、地域での電機の地産地消を行う。
 補助金や融資制度を充実させ、エコハウスの建設を普及させる。
●テーブル7
「電力の自由化、規制緩和を図る」
 みんなが事業に参加できる形態を作り、銀行からの融資や自治体の補助金が出し易くなるシステムを構築する。
 参加システムをシンプルにし、コスト(設備投資)を減らす。
 エネルギーシフトへのイメージの普及を進める。
●テーブル8
「設備にお金がかからない仕組み」
 国や県が補助金を出し、販売業者やメーカーが設備資金を立替える。
 一時的に立替えるが、個々で発電した電気料金を販売業者に売り返していく。
 各地に推進担当者配置する。
・まとめ
カーボンニュートラル、エネルギーシフトの阻害要因を探り、どうしたら解決できるか。
また、全国には使われていない木材がたくさんあり、どうしたら活用されるかなど様々な意見がでました。
セミナーで共有されたことを身近な環境に組み込み、エネルギーシフトへの最初の一歩になればと思います。
震災後エネルギーのあり方が見直されているなか、どのようにしたら省エネルギーでCO2の排出を抑制できるか、
さまざまな立場からの意見やアイデアを出し合う場の重要性が実感できました。

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